航空業界には戦前の海運用語から転用された言葉が多くあります。「パイロット」「オンボード」「クルー」「エアポート」などですが、「ステュワーデス」もその1つです。
ステュワーデスが戦前の客船に?と意外に思われる方も多いでしょう。当社では欧州航路と北米航路の大型船に270人近い乗組員を配していましたが、実は1船につき2〜3人、多い時は5人ほど女性乗組員がいたのです。
ステュワーデスはその職種の1つで、主に女性船客と子どもの世話を担当していました。きめこまやかなサービスで、日本人ステュワーデスは外国人船客に好評を博したそうです。しかし戦争が近くなると、語学が堪能なあまり外国のスパイとうわさされて、余儀なく交代させられた人もいたといいます。
女性乗組員の職種にはもう1つ「交換手(オペレーター)」があり、船長と事務部、機関長と機関室などの船内事務連絡のほか、停泊中には外部からの電話の取り次ぎを行っていました。すべての一等客室には電話が備え付けられていたので、各種の依頼(例えばクリーニング、他の一等船客への取り次ぎなど)にこたえるホテルのフロントのような機能も果たしていました。
ステュワーデス(夏制服)
ステュワーデス(冬制服)と女性客
社内報「YUSEN」
2003年2月号
【表紙のことば】
古き良きものを大事にする伝統がいまだに残るイギリスでは、常設の店舗の他に各地で年に何回か、大規模なアンティークや手工芸品のフェアが開催される。
これもその1つ、中部Waterperry恒例のクラフトフェアでの1こま。子どもたちの喚起の声を乗せ続けてきた木馬が今も手作りされている。
(中南米・アフリカグループ 片山真人)
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