今年で築70年を迎える横浜郵船ビル。最近、そこで47個の古い電球が見つかりました。パッケージには「マツダランプ」の文字が印刷され、一見してレトロな雰囲気が漂います。マツダランプとは、大正から昭和にかけて広く親しまれた(株)東芝の電球の呼称で、現在は「東芝ランプ」として東芝ライテック(株)に引き継がれています。ちなみにこの「マツダ」という名前は、ゾロアスター教の主神で善と光明の神、アウラ・マツダに由来するとか。
1942年に当社が刊行した『社船調度品由来抄』には、1923〜34年まで本店および社船で使用する電球をマツダランプと決め、毎年購入した記録が残されています。今回見つかった電球の表面にはNYKのブイマークが刻印されており、そのデザインとOBの証言から、1929〜52年ごろに使用されていたものと推測できます。
東芝未来科学館(神奈川県川崎市)によればパッケージの保存状態も良く歴史的価値が高いということで、10個を同館に寄贈しました。3月下旬からは、同館内にある東芝史料室の「市助※物語」コーナーに展示されています。ぜひ1度ご覧になってはいかがですか?
東芝未来科学館ホームページ http://toshiba-mirai-kagakukan.jp/
※ 市助:藤岡市助(1857-1918)。工部大学校(現、東京大学工学部)卒業後、白熱灯・アーク灯(アーク放電を利用した電灯)の研究に努め、日本で初めて竹フィラメントの炭素電球を製造。生涯を電球開発にささげた
ブイマークが刻印されたランプ
レトロなパッケージ
社内報「YUSEN」
2006年9月号
【表紙のことば】 世界中に散るピースを総合物流グループがつなぎ合わせて、お客さまのニーズに応えます。
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