1929～30年にかけて、当社は「淺間丸」のほか「龍田丸」「秩父丸」の優秀貨客船3 隻を日本～サンフランシスコ（米国）航路へ投入しました。33年1 月号の『THE TRAVEL BULLETIN』では、「海の女王」とうたわれた「淺間丸」がサンフランシスコ入港中に船上で催した秋の船上パーティー（主催：サンフランシスコ支店）の模様を紹介しています。
この催しには、なじみのお客さまや後援者の他、政界、財界、社交界の名士をはじめとする1,400人以上が観覧に訪れ、盛大なものだったようです。
右舷、左舷の両プロムナードにはそれぞれ、春の「桜」と秋の「楓かえで」をモチーフにした飾りが彩りよく屋台などに施され、訪れた人を魅了しました。また 、サンドイッチ、ケーキ、アイスクリーム、お茶などが振る舞われました。
右舷側に設置された舞台では、「獅子舞とおはやし」とこっけいな「馬鹿おどり」が上演され、共に好評を博しました。左舷側には「淺間丸」の船名の由来となった浅間神社が再現され、乗組員が氏子に扮装（ふんそう）するなど、異国の雰囲気を醸し出しました。
乗組員総勢で、お客さまをもてなすその奮闘ぶりが、当時の記事から伝わってきます。
『THE TRAVEL BULLETIN』：1920～41年、日本郵船が発行した英文広報誌。全195巻
当ホームページに掲載されている写真・図版・文章等は許可無く転用・転載はできません。
グループ報「YUSEN」
2015年10月号No.698
