2020年のオリンピック招致が話題になっていますが『THE TRAVEL BULLETIN』1932年8月号では、オリンピック旗を揚げた龍田丸(I)が日本人選手団47人を乗せ、盛大な見送りのもと横浜港を出港した様子が紹介されています。
ロサンゼルスオリンピックに出場する陸上、水泳チームが、出発前に明治神宮(東京都)を参拝したこと、昭和天皇、秩父宮から授かった国旗を掲げて皇居二重橋に赴き国歌斉唱、万歳三唱を行ったこと、また皇居近くや東京駅には朝から数千の人々が詰め掛け、温かい激励とともに送り出されたことなど、記事では当時の熱狂ぶりを伝えています。
また、東京から横浜まで運行された臨時列車は、選手団の成功を願い出港の様子をひと目見ようとする人々であふれ、当時の新記録となった横浜港での約2万人による見送りは、まさに歴史に残るものとなりました。
現在ではオリンピック選手団の入出国の場は空港に移りましたが、当時の舞台は港であり、その情景も大きく異なっていました。
『THE TRAVEL BULLETIN』 1932年8月号 早稲田大学図書館協力
『THE TRAVEL BULLETIN』:1920~41年、日本郵船が発行した英文広報誌。全195巻
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グループ報「YUSEN」
2013年5月号No.669
【表紙のことば】 主役はコンテナ!